上海万博公式ソングの件、こうした売り方もアリ!?

先日の上海万博公式ソングの件で一躍脚光を浴びることとなった岡本真夜さんの楽曲が中国国内で人気急上昇らしいです。

盗作に使用快諾「素晴らしい」 岡本真夜中国でも人気急上昇
http://www.j-cast.com/2010/04/21065041.html


しかも、上海万博で歌って欲しいというリクエストまで入ってきているというから、パクられ損害から一点、ボタもちのような様相。

今回の経緯を見ると、パクり楽曲の作曲者は除き、中国側も岡本さん側もいわゆる「大人な対応」とされるスマートな対応をしたことで、ネットでの評価も双方に対して高いと言う。もともとネガティブな反応を見せがち、特に中国に対してはその傾向が顕著とされるネット世論としては異例のことです。

話はずれますが、自分はよく痛ニューなどのまとめサイト2ちゃんねるの書き込みをよく拝見しているが、個別に見ると「・・・」なこともあるが、全体で総括して見るとなるほどと納得させられることが多く、よくマスコミなどで取り上げられるような「ヒドい発言」が多くあるとは思っていません。むしろ、フラットで日本を憂う人たちがどうすることが日本を良くするのだろうという視点で柔軟に書いているほうが多いように思います。(もちろん、先に書いたとおり局所的にはそういう点と外れるものもありますが)

話を岡本さんの件に戻しますが、この双方の「大人な対応」も功を奏したのか、楽曲が人気急上昇らしく、国内のiTunesチャートでも幾つかの曲がチャート上位に食い込んでいるようです。

そんなニュースを閲覧しながら感じたのが、こういった売り方もありなんだ、ということ。

もちろん、今回の件は岡本さん側も「想定外のできごとで困惑している」としている通り、全くの想定外のところから振ってきたアクシデントで、初めから今まで意図されたものでは全くないですが、事件で話題になったことから楽曲が売れているのはまぎれもない事実です。もしかしたらこれまで岡本さんを知らなかったユーザーからの新たな評価、または知っていても今は離れてしまったユーザーからの再評価という可能性も考えられます。もちろん、楽曲のクオリティの高さがゆえにこうした評価の可能性も考えられると思うわけですが。

で、何が言いたいかと言うと、要するにネット上で話題になることにより、楽曲がネット上で「情報として消費」される仕組みができあがりつつある、と感じたわけです。

「再評価」と言う言葉のあとにこうした楽曲の「消費」という言葉をあえて使ったのは、とりあえず話題になっているものを「情報として消費したい」というニーズがあるのかな、とふと思ったわけで。ここ数年のスィーツの売れ方などと同じようなニーズに感じたのです。話題になっているものを「情報として消費したい」という。それがネット配信という仕組みを通じて音楽でもそれが可能になった、という。どちらも数百円程度の消費のため、財布が傷まず今話題のモノを消費し、自分の情報として発信できる、そういったニーズがあるのではと感じたのです。

こうやって文章としてみると、PRとかでやられている手法だし前例も数あるわけで、ことさら目新しいことではないわけなのですが、そういったことが「当たり前」になりつつあるということを今回の件で実感できました。

楽曲のスィーツ的販売手法とでも言うのでしょうかw

ただ、スィーツも楽曲もどちらもリピートに耐えうるクオリティがないと、どちらも一時的な売り上げで終わってしまうのは変わらない真実。岡本さんの件で「再評価」もありうる、としたのはそのためです。

CDの販売が落ちていると言われるこの昨今、こうした手法を取り入れて過去の楽曲がいろいろと再評価され、アーティストに利益が生まれる仕組みが生まれるのを願ってやみません。もちろん、今後登場してくるアーティストについても、ね。