ランディングページのクリエイティブに関する記事への考察

※2年ほど前に書いていたエントリーが過去の下書きフォルダに保存されていたようなので今さらながらではありますが、公開してみます。

以前、ネットマーケティングに関するポータルサイト「Markezine」に記載されていた記事を拝見していて少しツッコミいれたくなりましたので、珍しく実務的なことを書いてみようかと思います。

ランディングページは第一印象で差をつけろ!
ユーザーを逃さないキービジュアルの選び方
http://markezine.jp/article/detail/9962?p=2


SEOのカリスマ渡辺さん率いるアイレップの社員さんが書かれた記事のようで、タイトルの通り、ランディングページ内の「キービジュアル」をどうチョイスするのかについて書かれています。

ランディングページという言葉は今さら解説する必要もないかと思いますが、念のために簡単に説明すると、Yahoo!Googleなどの検索結果や検索結果に付随されている広告(リスティング広告と言われ、Yahoo!=Overture、GoogleAdwordsというサービスです)、各種ポータルサイトなどのバナー広告や記事からのリンクなどなどウェブ上のあらゆる導線(これを集客導線などと言ったりします)からのリンク先のページのことを指します。
ついでに言うと、そのランディングページをその導線、そして訪問するユーザーの訪問目的に合わせて「ベター」なモノを考察・分析して検証し、改善していくことを「LPO(Landin Page Optimization)」と言います。「考察・分析→検証→改善」のフェーズを繰り返していくことによりはじめて「Optimization」となります。

今回、この記事を閲覧してくださっている方もそうですが、ネット上のユーザーは概ね能動的な行動で情報を取得していくことが多く、何かしらの目的を持ってネットサーフィンをおこなっています。(もちろん、ただ興味に任せてダラダラというケースも含めて)

その目的を考察・分析してその目的に合わせることにより、ユーザーのモチベーションを高め、発信側の意図、目標とすり合わせてあげようというのがLPOという考え方だと思います。


で、先の記事についてですが、結論で以下の二つを大事にするように注意されていますが、もう一点追記する必要があるように感じました。

1. 第一印象は良いか
2. ランディングページの商材を想起できるか


僕がもし著者として「3」を挙げるならこういうものになります。

 3.商材を使用(利用)したメリット、イメージを「ポジティブに」想起できるか

この「使用(利用)後」というのと「ポジティブに」というのが大切だと思っています。

その理由は、幾ら「第一印象がよく」ても、「商材を想起でき」ても、その使用イメージが沸かないクリエイティブでは人はその商材に対してモチベーションを醸成することができないからです。

この記事では、写真の選び方などや業界ごとの対応に対して丁寧かつ具体的に方法を記載されていますが、その方法はユーザーに「どう感じてもらうために」必要なのかという部分こそが肝心なわけで、そうした視点が少し欠けていることに少し残念な部分を感じ、今回のエントリーを書こうと思った次第です。

個人的な考えからすると、LPOではスプリットランテストと呼ばれるダイレクトマーケティング的な手法のよる、検証が必要であることはキービジュアルにも必要だと言うことも記載して欲しかったんですけどねw


あと、個人的な見解からすると、今回のような一枚モノのランディングページを必要とする業界は限定されていて、むしろサテライトサイトを利用した長期的な視点でのコンバージョン最大化のための一貫したシステム作りが今後求められてくると思っています。

なぜサテライトサイトかと言うのには2つ理由があります。
ひとつは、一枚モノだとコンバージョンに至るボタンを押さない限りクリックが不要で、それがユーザー視点で便利と言われてましたが、結局長いページになりスクロールが必要で却ってユーザーにとって利便性高くないということ。
二つ目は、ユーザーにクリックをさせ能動性を誘発することにより、商材に対しての興味・関心を高めていくこと。クリックとはページ遷移だけでなく、動画再生も含めて。要するに「フリークエンシー」の考え方に近いのですが。


これは数字で分析した結果ではないのであくまで仮説でしかないのですが、いわゆるランディングページの考え方、手法が積極的に取り入れられた頃から3、4年が経過してユーザーがそういったページに慣れてきているのと、帯域の改善などのインフラや、動画などインタラクティブコンテンツの普及などのカルチャーの進化がそういった方向に向かわせるのではと感じる次第です。

2010年以降、LPOの考え方がようやく浸透し始めるとのことですが、時代背景も含めた視点で考えていかねばと自戒を含めて思いました。