「行動ターゲティング」の倫理的な問題について

このブログでも利用させて頂いている「はてな」さんのサービス、「はてなブックマーク」で行動情報を取得されていた、という件についての記事がMarkezineに掲載されていました。

【Markezineでの記事】
はてな、取得した行動情報の第三者への送信を停止


はてな日記での釈明記事はこちら】
はてなブックマークボタンが取得した行動情報の第三者への送信を停止しました


要約すると、これまでは取得していたけど、3月13日すなわち昨日で止めましたよ、ということ。そして、オプトアウトしたい場合はMicroAdさんのウェブサイトで止めてくださいね、ということ。


この迅速な対応などについては評価できるんだけど、これまでデータが取得されているとは知らなかったのでちょっとショック。僕はもともとそういったツールベンダー側にいたこともあって、行動情報を取得されることについてはネガティブではないんだけど、取得するならちゃんと事前に周知させてほしかったな、というのが正直なところです。

ただ、提供側の視点で見るとこういった設置ボタン系だとどこで説明するのか、というのが頭の悩ませどころ。もちろん、サービスの利用規約にはこういった情報取得について包括的な文面で記載はしてあるんだけど、ユーザはよっぽどの人以外ほとんど読まないから知らない。そして、知らないから事後に知らされるとなんか腹立たしいし、何を取得されたのか余計に気になってしまう。

この、「情報を収集しますよ」の認知のさせ方ですごいなぁと思ったのがGoogle。今月頭からの情報取得ポリシーについてとにかくしつこいくらい周知させていて、なにかGoogleのサービスを利用する際に、否が応でも目を通さなきゃいけない状態となっていた。
かなりうざいくらいに目にしたのでそういった意味ではネガティブな気持ちを持ったけど、情報を取得することについては僕はネガティブに捉えなかった。


もちろん、世間一般では数多のネガティブフィードバックが出て、2chのまとめなどを始め目にした方も多いと思うけど、だからと言ってGoogleのサービス利用を辞めたヒトってそんなにいないのではないでしょうか。

ヨーロッパなどでは元々Google独占状態に対してネガティブになっていることもあってか、結構大事になっているようだけど、それもいずれかは沈静化していくのでは、と僕は思っています。


要するに何を言いたいか、というと正直にユーザに情報を取得していることを伝えることが大切で、隠したら余計に大事になってしまう、ということ。もちろん、サービスを利用してもらう前から「あなたの情報取得しますよ、イヒヒ」とか言われたらユーザも気味悪がって利用しないだろうから、一定程度利用してもらってサービスのメリットを知ってもらった上で情報取得のオプトインを求めるとかね。ユーザの利用回数で情出力内容を出し分けることなんてそんなに難しい話でもないだろうし。


なんか2chまとめとか見ると、行動情報の取得についてやたらとネガティブな意見が取り上げられてたりするけど、中身さえ知ってればそんなにネガティブにならないだろうし、むしろ肯定的に捉えるユーザも出てくるんじゃないかな、というのは甘い読みでしょか?



行動ターゲティング自体は素晴らしい技術だし、名前は違えど似たようなサービスでユーザも多々恩恵を受けているわけだから、メディアもそういった視点で評論を展開してくれればいいのになぁ、なんて思う次第でした。


【追記】
少し時間があったので、今回の広告配信システムの仕組みを簡易的に図にしてみました。不足点などあると思いますので、なにか気になる点あったらコネとなどでご報告頂けると助かります。。