ネット広告費が初の1兆円超え、というニュースで思ったこと

2014年「日本の広告費」、2.9%増の6兆1522億円 ネット初の1兆円突破(宣伝会議
http://www.advertimes.com/20150224/article183819/


毎年この時期になると発表されるのが、日本の広告費
電通による発表で、いわゆる広告業界の現状を表すひとつの
指標とも言える数字だ。


現在の自分の仕事範囲として、広告業界からは外れることもあり、そして日常の業務に忙殺されていたこともあり、ここ2,3年はあまりキャッチアップできていなかったのだが、既に1兆円は超えたもの、というような漠然ながら考えていたところがあった。


理由としては、クライアントやら世の中やらを見回して観た時、インターネットのプレゼンスがスマホ普及前と比較して格段に上がっていることが上げられる。


実際、現場ではクライアントからのインターネットへの期待値は非常に高く、正直、そこまでの期待値に応えるのは難しい、、と思うこともままある。なぜなら、各メディアに特性があり、その特性を踏まえた上で利用をしていかないと、結果的に予算かけたのに・・・ということになりかねないからであり、自身もかつてそういったことで痛い思いを多々してきたから、わかるところでもある。


しかし、ユーザ側のインターネットへの認識も時間の経過とともに変化を見せており、まず最初の接触媒体がインターネット、あるいはアプリというケースも多々出てきている。
この傾向は今後も高まってくることと思うし、インターネットを中心、あるいはスマートフォン中心ということは今後しばらくは揺るがないのでは、とも思われる。


※ここで「スマートフォン」としたのは、メディアというよりはデバイス、という切り口のほうが適正と考えたため


ただ、インターネットでの広告展開においても多々問題はある。例えば、コンテンツやクリエイティブのクオリティの問題。これはインターネットの登場からまだ20年足らず、ということで歴史が浅かったり、技術が次々に変わってきている中で、人間側がそれにおいついていない、というところが大きかったりする。


特に、フィーの部分は制作費ひとつ見てもテレビのCM制作費用などと比較してもずいぶんと乖離しているところがあるし、広告費の換算においても影響力ベースで安すぎる、というようなところがあるためであり、業界全体としてどうそうしたところを解決していくか、というようなことが必要なのでは、と思う。


また、教育の部分においては、紙やテレビなどの制作に関与していた人材が徐々にインターネットコンテンツを手がけるようなケースが増えてきているほか、時間の経過とともに人材が増えてきていることでの全体としての底上げ、というところがあるため、時間が解決してくれるように思う。


自分が若かりし頃は、インターネットの登場によって、とてつもなくドラスティックに広告やら表現の在り方が変わっていくものだと思っていた。


しかしながら、ヒトが関与している限り、それはありえない。
ゆっくりと、過去のものを置き換えながら変わっていくものだ。


若干、話が紆余曲折してしまったが、問題はありつつも、今後、インターネット広告費のプレゼンスがどうなっていくのか、それが非常に楽しみに思えたニュースだった。




ただ、テレビ・雑誌・新聞・ラジオで「4マス」という区分はもう限界な気がするが、、、